3710/

今日もみなさんの斜め上から自分を戒めています。

【個人的岩井俊二映画祭】その1/ undo

calendar

reload

【個人的岩井俊二映画祭】その1/ undo

岩井俊二作品が好きなんです

岩井俊二作品が割と好きです。

一番好きな映画は?って聞かれたら「スワロウテイル」と答えます。

「リリイ・シュシュのすべて」もいいですね。

まあ、その2作品くらいしかまともにみたことがなかったのですが、

スワロウテイルからだけでも、シーンのひとつひとつが絵になるほどの映像の美しさ、監督自身が小説を書くくらい練られたストーリー、それらと絶妙にマッチする音楽…とにかく「美しい」と感じられうっとりしてしまうのです。

そして、3月末に新作「リップヴァンヴィンクルの花嫁」が公開したこともあり、ちょいとここらでしっかりがっつり岩井作品を見ておこうと思い至りました!

50分と短いけど侮れない、undo

まずは「undo」をみました。この作品は1994年の作品で、50分に満たない長さなので、岩井さんの作品をみたことがない人でも集中力を切らさず楽しめると思います。

以降ネタバレ注意!!

ストーリーはざっくりいうと、

ある夫婦の生活が、些細なきっかけが重なったことで、少しずつ少しずつ壊れていくという感じ。

その「些細なきっかけ」というのは、夫がペットとして亀を買ってきたり、妻の歯列矯正の金具がとれてキスの感触が変わったり、夫の仕事が忙しくなって妻が暇を持て余し気味になったり。

これってきっと男性側からみると大したことじゃないと思う人は多いと思います。

しかし私も含め女性からみると、どの「きっかけ」も夫の気持ちが変わる、離れていくようにも受け取れて妻が不安を抱えてしまう、、、というようにも見えるのです。

新しいペットを買ってきたことは、愛情を妻である自分にではなくペットに注ぎたいのかな?と考えることができるし、

キスの感触が変わってしまったことはもっとストレートに妻の心を傷つけてしまっているのではないでしょうか?

大好きな相手にキスをして、微妙な反応をされたらめちゃくちゃ悲しいじゃないですか。

せっかくキレイになるために歯列矯正して変わった自分を、うまく受け入れてもらうことができなかったのですからなおさらです。

か~ら~の~~夫の仕事が忙しい発言!

結構な数の女性はダメージ食らってしまうのではないでしょうか。

もしかしたら、誰にでもありえたかもしれない

もちろん、上記のことはあくまでも個人的解釈ですし、傷つく/傷つかないは人の性格や考え方で違ってくるでしょう。

「私だったら絶対こんなふうにならないわwwww」っていう人もそりゃあいるでしょう。

しかしこの作品のすごいところは、

「一見ありえなそうで誰にでもありえるかもしれない世界」が絶妙に描かれているところだと思います。これは他の作品、岩井作品全般にいえることかもしれませんが。

日常生活を送っていれば、些細な変化がおこることはむしろ当たり前です。

毎日行くコンビニの商品のラインナップも変わりつづけているし、

季節が変われば着る服も変わる。

髪の毛が伸びれば切ったりして髪型も変わる。

そういった小さなことの積み重ね、組み合わせが、自分自身の心の在り方、人と人との関係を変えてしまうということがあるという「事実」が淡々と、しかし美しく描かれています。

作品に登場する夫婦のようには誰もがなる、ということはないけれど、

「些細なきっかけ」が大きな変化を起こすということは誰にでもありえるでしょう。

作中の「私たちは縛られていたのか、それとも解けていたのか」(的な。うろおぼえでごめんなさい)台詞がとても印象的です。

日々の暮らしで埋もれてしまって、自分たちの関係が見えなくなってしまう。

そんな危うさがこもったメッセージには、私自身、人間関係についていろいろ考えておかないとな、と思いました。
undo [Blu-ray]


この記事をシェアする